ハシビロガモしか越冬しない池 
朝比奈邦路 2024/3/24(日) 11:27:52 No.20240328213948
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 静岡県御殿場市に、ちょっと不思議な調整池があります。
「杉名沢調整池」という名前の、面積一反強(地図での計測で、約1050平方メートル)の小さな池です。
 何が不思議かと言いますと、毎冬ハシビロガモが、30羽位越冬しているのですが、いつ行っても、カモの種類はハシビロガモ1種だけ。ここまで5シーズン(合計25回位)観察しましたが、私の観察した日に、他種のカモを一度も見たことがないのです。
 昨日、近くに所用があったので、雨中の短時間観察となりましたが、この日も野生のカモは、ハシビロガモ7羽(♂3,♀4)だけでした。(ほかに餌付けされているアヒルが10羽程、通年生息しています。)

 カルガモ、マガモ、コガモも一度も見たことがない、何とも不思議な調整池です。

1.  朝比奈邦路     2024/3/26(火) 11:10:02 No.20240328213948-1
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 昨年12月2日は、ハシビロガモが群れでグルグル回りながら採餌していました。
この日も、25羽の野生カモは、すべてハシビロガモでした。


2.  松丸一郎     2024/3/28(木) 03:03:42 No.20240328213948-2
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朝比奈様、餌付けのアヒル以外、ハシビロガモしか見ない池があることを教えていただきありがとうございました。
真相はハシビロガモに聞かないと、あるいは他種のカモがこの池に近づかない理由はそれらのカモたちに聞かないとわかりませんが、可能性を考えてみました。
[その1] 水面採食性カモと言われているものの中には、水面/水中に浮遊している餌だけを採食しているのではなく、池の周囲(または移動可能な範囲)の陸上で草や落穂なども食事のメニューになっているため、これらを採餌しやすい別の池のほうを好む。


3.  松丸一郎     2024/3/28(木) 03:27:25 No.20240328213948-3
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[その2] 個人的な印象ですが、マガモやオシドリなどは、開けたところにある池よりも、池の周りに木が生えていて木陰がある環境を好む気がします。
[その3] 水面/水中に浮遊するものよりも、水底から生える植物を好み、逆立ちすると水底に届くくらいの深さの池を好む種がいるかもしれません(画像はオカヨシガモ)。

ご紹介いただいた調整池がどのような環境なのかを存ぜずに勝手なこじつけで、ハシビロガモ以外のカモが近づかない理由を考えてみました。ハシビロガモにとっては水を濾しとって満足できるくらいの食事がとれる水質の池なのかもしれません。

千葉県印西市にある白鳥の郷では、2004年ごろ(当時は本埜村)はハクチョウ以外にはハシビロガモばかりだったのが、2006年ごろから現在に至るまでハクチョウ+オナガガモだけになってしまったところもあります。人をあまり恐れないオナガガモは餌付けされている場所を目ざとく見つけると集まってくるのかもしれません。

人のカモとの接し方、池そのものだけでなく周辺の環境によって、カモ相が変わることがあるのかもしれません。
(勝手な想像なので勘違いしていたらご容赦ください)


4.  唐沢孝一     2024/3/28(木) 12:35:29 No.20240328213948-4
朝比奈さんの疑問、「この池にはハシビロガモのみが生息しているのは、なぜ?」」は、難問です。
動物の分布を決めて生きる要因は、これまで「食物」と「配偶者」と考えられてきました。松丸さんの「その1」〜「その3」は食物について考察しています。
これに対して、「天敵の存在」に注目しているのが大崎直太さんです。例えば、越冬していたオシドリは、明治神宮の池では、オオタカからの捕食をさけるために、日中は水辺に張り出した樹木の蔭に隠れています(岸辺に隠れる樹木などが生えていることが重要です)。皇居のお濠で、かつてオシドリが越冬していましたが、日中は、石垣の隙間に隠れていました。
  コガモやオシドリなどの小型のカモ類は、天敵に襲われやすいのに対し、大きめのハシビロガモやオナガガモは襲われにくいのかもしれません。
しかし、食物、配偶者、天敵以外に、地史的な要因もあり、要因は無数に考えられます。この難問に深入りするのは、できれば避けたいところです。


5.  朝比奈邦路     2024/3/28(木) 21:14:46 No.20240328213948-5
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 松丸様、唐沢先生、コメントありがとうございます。私もいろいろ仮説を考えていますが、松丸様の「ハシビロガモにとっては水を濾しとって満足できるくらいの食事がとれる水質の池なのかもしれません。」と、唐沢先生の「コガモやオシドリなどの小型のカモ類は、天敵に襲われやすいのに対し、大きめのハシビロガモやオナガガモは襲われにくいのかもしれません。」は当たっている様に思います。


https://www.google.co.jp/maps/@35.2978083,138.9135469,149m/data=!3m1!1e3?hl=ja&entry=ttu

 場所は、グーグルマップで上記のアドレスで表示されるかと思います。ちょうどホームベース型の池が、「杉名沢調整池」になります。衛星写真で見ると、住宅地、公園、水田、畑がそれぞれ散在している環境です。
 グーグルマップでは、わからないことを補足説明しますと、標高は約490mで、池の水深は正確な値はわからないのですが、5mは無いと推測されます。水は、ハシビロガモがいる環境としては、比較的透明度がある様に感じます。
(追加写真2023.3.11撮影)

 以下、私の投稿で、述べていないことが点程ありますので、付記させていただきます。

 @ハシビロガモが、アヒルの餌を直接食べているのは、見たことがない。
 A12−3月に、ハシビロガモがいなかったことは1度もない。
 B夏季は、ハシビロガモはいなくなりますが、この間もマガモ、カルガモも全く見たことがない。
 Cハシビロガモは、日中この池で、グルグル回りながら採餌していることが多い。
 D夜間は未観察。
 E御殿場市内の他の調整池でも、ハシビロガモを見ることはあるが、単独でいる場所はなく、どこも他種のカモが優占種。

 ともあれ、ハシビロガモの生態をじっくり観察するには、とてもいい池だとは思います。 
 ありがとうございました。


6.  朝比奈邦路     2024/3/28(木) 21:23:21 No.20240328213948-6
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もう1枚、写真を添付いたします。ハシビロガモの水中にある足はよく見えます。
(2023.3.11撮影)


7.  朝比奈邦路     2024/3/28(木) 21:39:48 No.20240328213948-7
「D夜間は未観察」は、ちょっと誤解を招く文言でした。「夜間に私が見にいったことはない。」の意味で、「ハシビロガモがいない。」の意味ではありません。
 来季は、ここをしっかり見なければと思っています。


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