フィールドエッセイ「旅と自然の心象スケッチ」  第1436回

自然観察事始め

〜今年はきっといいことがあるにちがいない〜

2013年1月1日


 

「今年はきっといい年でありますように」

だれもが祈りたくなるのが元旦の朝かと思います。

 

昨年は、公私ともどもいろいろありましたが、

すべからくリセットして、後ろ向きにならず、前に向かって進みたいと思います。

早速に、初日の出と新春のフィールドを体感したくて、近くの江戸川に立ちました。

 

江戸川を挟んだ対岸には、東京スカイツリーがくっきりと、

その左手には、冠雪の富士、右手の稜線には秩父の山々が連なっています。

スカイツリーから見て1時半の方向に、夜明けの月を残しています。

 

冷たい空気を

胸いっぱい吸い込むと、

体全体が引き締まってきます。

 

「今年は、きっといいことがある」

そう思ってスタートすると、そのようになるかもしれません。

 

ある俳優の言葉を思い出しました。

「今日のお客さんは素敵な人ばかり・・・、そう思って舞台にたつと

いい演技ができるから不思議ですよね」

 

路傍では、

市川では珍しい霜柱を見つけました。

むかし、畑で麦踏みをしたことを思い出しながら

人類の歴史は、こうした自然現象の一つ一つを前向きに捉えて生きてきたんだな・・・・・。

何だか妙に悟ったような気分になりました。

 

地面を持ち上げてしまう霜柱

越冬する植物にとっては、根を引き抜かれてしまいます。

 

霜の降りた朝は、

自然の芸術作品がいたるところにころがっています。

セイタカアワダチソウ群落の中でみつけたヤエムグラの葉は、

無数のダイヤモンドをちりばめて

夜のパーティーからの帰り路

朝日をみると消えて

しまいます。

 

ヤエムグラの葉を飾る氷点下のダイヤモンド

図鑑をみると、小葉の形がちょっとヤエムグラとは違うような気もします・・・、

オオバノヤエムグラなのかな・・・、分りません。

1月1日の日付入りの写真に納めました。

 

霜が降り、霜柱のたつ路傍で

もう一つみつけたのは動物の足跡・・・

 

 

見事な足跡のプレゼント。

イヌなのかタヌキなのか・・・、

『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』 を見比べたのですが、

タヌキのようにもみえますが、イヌのようにもみえます。

 

深夜、まだ凍っていない時間に

ぬかるみを通り掛かった動物〜(タヌキであって欲しい・・・)〜が

ぬかるみに足跡を残し、早朝の冷え込みによって

このように凍ったものと思います。

 

今年も、どんな自然を観察できるのか、

どんな人と、どんな出来事に出くわすのか・・・・、わかりません、が、

きっといいことがあるにちがいないと思い、前向きに進みたい

そんな自然観察事始めとなりました。

 

エッセイをご覧いただいている皆さん、

本年も宜しくお願い致します。

 


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