フィールドエッセイ「旅と自然の心象スケッチ」  第1307回

東北関東大震災と自然観察会など・・・

2011年3月12日


 

3月11日の巨大地震、その後の余震など、

東北〜関東の沿岸を中心に次々と被害状況がテレビ画面で報道されており、心が痛みます。

皆さんはご無事でしょうか。また、被害はいかがでしたか。

余震がはやく終息し、皆さんの無事をいのるばかりです。

 

私の住んでいる千葉県市川市は「震度5」ほどでした。

たまたま市川駅前の銀行のビル内にいましたが、全員道路や歩道に避難して無事でした。

帰宅してみると、二階の書棚から本や書類が大量に落下しましたが、大した被害はありません。

長男はお茶の水の勤務先から自転車で帰宅、二男は習志野から徒歩で3時間弱で帰宅。

義弟は都心の勤務先から徒歩で深夜に帰宅・・・、錦糸町から市川までが辛かったとか・・・

コンビニではオニギリや弁当などの食料がアッと言う間に消えました。

スーパーではパン類やインスタント食品の棚がガラガラです。

こうした「コンビニの弱点」については、前々から

S君よりレクチャーを受けていましたが、

その通りになりました。

 

12日(土)9時、まだまだ余震がある中を、

鎌ヶ谷市郷土資料館主催の自然観察会の講師を引き受けていたため、

予定の時間に「八幡春日神社」に向かいました・・・、20名弱の参加者が集まりました、が

急遽、市からの指示で観察会は中止になりました。

 

観察会は解散し、

集まった人で、神社の境内を一巡してみました。

何と、神社の本殿前では、大きな燈籠が二基、倒壊していました。

 

大きな石の燈籠が倒壊、観察会の集まって皆さんと

「これも自然観察かもしれないね・・・」

 

「伊勢神宮御鎮座二千年奉祝記念」

「平成九年十一月吉日」

とありました。

 

江戸や明治の古い石碑は倒壊していないのに、

14〜15年前につくったばかりの石燈籠が倒壊しているのは、何とも皮肉です。

見かけだけは素晴らしく、かつ、豪華に見えるこの燈籠

現代社会を象徴しているかのようです。

 

千代田の会の和田さんからのML情報によれば、

「 (江東区の) 清澄庭園内の石灯篭が7基、倒壊した」、とのことです。

 

察観会中止の判断は正解でした。

というのも、鎌ヶ谷からの帰路、車の渋滞はひどく、かつ、途中で立ち寄ったガソリンスタンドは営業停止。

かろうじて営業しているスタンドでは、順番待ちの車が道路にはみ出て並んでいました。

車や貨車による物流が大幅に停滞してらしく、いつも利用している「メール便」は受付を中止。

1冊の本を送るのに、メール便で80円ですむところを、郵便で200円かかりました。

便利な日常がこれほど脆いことを改めて認識しました。

 

テレビでは被災地の新しい映像が刻々と放映されています。

原子炉からの放射能漏洩の問題も深刻です。

被災地の皆さんも、自然も、野生生物も

すべからく心配です。

 


ご意見・感想などはこちらへhttp://www.zkk.ne.jp/karasawa/bbs1/imgbbs.cgi

エッセイの目次に戻る

唐沢孝一のページに戻る